ことわざ

1 朝起きは三文の徳(とく)
朝早く起きると、人より先に仕事ができるから、何かとよいことがある。
「早起きは三文の徳」とも言う。

2 足下を見られる
弱点を見抜かれてつけ込まれる。弱みをにぎられる。
・頭隠して尻(しり)隠(かく)さず
悪事や欠点を、自分では完全に隠したつもりでいても、
その一部分が現れているのを知らないでいること。

3 後の祭り
祭の済んだ翌日。時期が遅(おく)れてしまって、後悔(こうかい)
しても間に合わない。時期を失すること、手遅れの意。

4 後は野となれ山となれ
目の前のことさえ片づけば、後はどうなってもかまわない。

5 案ずるより生むが易し
あれこれ悩(なや)んで心配したことも、やってみたら案外と簡単にできる。

6 石の上にも三年
冷たい石の上にも、三年すわり続ければあたたかくなる。
つらくてもがまんして続ければ、必ず成功する。

7 石橋を叩(たた)いて渡る
堅固(けんご)な石の橋でさえ、たたいて安全を確かめてから渡る。用心に用心を重ねること。

8 急がば回れ
急ぐ時には危険な近道を通るよりも、遠くても安全な道を回るほうが、
結局は早く目的地に着く。 

9 一姫二太郎(いちひめにたろう)
子供を持つなら、最初に女で二番目に男であるのが、育てやすくて理想的な順序である。

10 一を聞いて十を知る
少しのことを聞いただけで、その全部がわかってしまうほど賢いようす。

11 井の中の蛙(かわず)大海を知らず
井戸の中に住むカエルは、その井戸のほかに大きい海があることを知らないでいる。
自分のまわりの、ごく限られた範囲(はんい)のことしか考えない、
見聞(けんぶん)のせまいこと。

12 魚心あれば水心
そちらに魚になる心があれば、こちらもあなたが住みよい水になる心をもってもよい。
何事も先方の出方次第で、相手が好意を示してくれれば、こちらも好意を示そう、
という意。

13 嘘(うそ)から出た真(まこと)
初めは嘘であったことが、偶然(ぐうぜん)に本当のこととなる。

14 馬の耳に念仏
馬が念仏などを聞いても、少しもありがたく感じない。
何を言ってもわからず、いっこうに効き目がないこと。

15 生みの親より育ての親
生んでくれた親よりも養い育ててくれた親のほうに、愛情や恩義(おんぎ)を感じるの意味

16 噂(うわさ)をすれば影がさす
人の噂をしていると、その人がちょうどやって来るものである。

17 溺(おぼ)れる者は藁(わら)をも掴(つか)む
今にも溺れそうな者は、ワラのような頼りないものでもそれにすがって助かろうとする。
危急(ききゅう)の際にはどんなものにも頼るようになる、という意。

18 恩を仇(あだ)で返す
さんざん恩を受けながら、かえって恩人を害するようなことをする。

19 飼(か)い犬に手をかまれる
日ごろから世話をしている人などに裏切られて、ひどい目にあうこと。

20 火中の栗(くり)を拾う
他人の利益のために、あえて無理をして危険なことをする。

21 河童(かっぱ)の川流れ
本来得意なことなのに、油断(ゆだん)して失敗してしまうこと。

22 果報(かほう)は寝て待て
幸運はあせらずに、静かにその時機の来るのを待つがよい。

23 彼(かれ)も人なりわれも人なり
彼も我も同じ人間、彼にできることが自分にできないはずはない、
と自分を叱咤激励(しったげきれい)する言葉。

24 可愛い子には旅をさせよ
可愛い子には苦労の多い旅をさせて、世の中の苦しみやつらさを経験させたほうが、
その子の将来のためになる。

25 窮鼠(きゅうそ)猫(ねこ)をかむ
ネコに追い詰められたネズミは、反対にかみつく。
追い詰められて逃げ場がなくなると必死に抵抗(ていこう)するから、
弱い者がかえって強い者を負かすことがある。

26 腐(くさ)っても鯛(たい)
たとえ腐っても鯛は魚の王である。よいものはどんなに悪くなっても、
あるいは落ちぶれても、それだけの価値は失わないものだ。

27 犬猿(けんえん)の仲
非常に仲の悪いこと。

28 酒は百薬(ひゃくやく)の長
酒は適当な量だと、どんな薬よりも元気が出るということ。

29 去る者は負わず
自分のもとを去ろうとする者は無理には引きとめない。

30 地獄(じごく)で仏
とても困っているときに、思いがけない援助(えんじょ)があること。

31 事実は小説よりも奇なり
事実は作りごとの小説よりもかえって奇妙で不思議なものだ。

32 死んだ子の年を数える
いまさら言っても仕方のない過去のことをあれこれ言うこと。

33 水魚の交わり
非常に親密な交際。魚は水がなければ生きていかれないように、
離れることができない非常に親密な間柄(あいだがら)。蜀(しょく)の劉備(りゅうび)が、
諸葛亮(しょかつりょう)との交際について言った言葉から。

34 好きこそ物の上手なれ
人が大成するのは素質(そしつ)ということもあるが、それが好きであり、
熱心に努力するからこそ上達(じょうたつ)するのである。

35 住めば都(みやこ)
住み慣れれば、どんな土地でも都同然に住み心地がよくなるものである。

36 前門の虎(とら)、後門の狼(おおかみ)
一つの災難(さいなん)から逃(のが)れたかと思うと、また他の災難にあうこと。

37 宝の持ち腐(ぐさ)れ
役に立つものを持っているのに、しまいこんで使わない。

38 立つ鳥後を濁(にご)さず
立ち去るときに、あとしまつをよくすべきであるということ。

39 鶴(つる)の一声
大勢であれこれ議論してもなかなか決まらなかったことが、
えらい人の一言でそのまますぐ決まることを言う。

40 天は二物(にぶつ)を与えず
人はよいところがあれば必ず悪いところがあるものだ。
よいところばかりそろった人はいないものだ

41 毒を食らわば皿(さら)まで
毒を食べてしまった以上は、それを盛(も)った皿までなめる。
悪事に手を染めた以上は、徹底的に悪事を重ねる、という意味。

42 鳶に油揚げをさらわれる
自分のものになるはずの大切なものを、いきなり横取りされてしまう。

43 飛んで火に入る夏の虫
自分から進んで危険や災難(さいなん)にとびこむことのたとえ。

44 七転び八起き
七たび転んで八たび起きる。何回失敗してもくじけないでがんばる。

45 悪女の深情け
 醜い女性ほど、情が深く、嫉妬心が強いということ。
それが男性にとってありがた迷惑なことを意味する。

46 東男に京女
  江戸(東京)の男は威勢がよく、たくましくて、粋。
京都の女は洗練された古風な美しさと、優しさが特徴。
男なら江戸・(東京)、女なら京都、似合いの男女をいう言葉。

47 当たって砕けろ
  思い通りになるかは疑わしくても、とにかく思い切ってやってみよ、ということ。

48 言うは易し行うは難し
  口ではいくらでも大きな事が言えるが、実行するのは難しい、という意味。

49 一寸の虫にも五分の魂
  生き物である限り、どんなに弱小であっても、
それ相当の意地や根性があるから決して軽蔑してはならないという戒め。

50 エビで鯛を釣る
  小エビのようなわずかな餌で、鯛のような大きな獲物を手に入れることから、
少しの努力や元手で、大きな利益をえることのたとえ。

51 親の心子知らず
  親は奥深い愛情で子のためになるように配慮するが、
子はそれを理解せずに勝手気ままに振る舞う、ということ

52 可愛さ余って憎さが百倍
  可愛いと思う感情が強い場合、何かのことで憎くなると、
その憎しみは並外れたモノになる、という意味。

53 九死に一生を得る
  危険な状態に陥って、九分通り助からないと思った命が、
奇跡的に助かること。

54 苦労は買うてもせよ
  苦労することはよい経験であり、将来きっと役に立つから、
買って出ても苦労したほうがよいという教え

55 怖い物見たさ
見れば怖いくせに、恐ろしい物があると聞けば、
人は興味をそそられて見たくなる。そうした人間の好奇心についていった言葉。

56 賽は投げられた
  勝負を決めるためのサイコロは投げられてしまったので、
元に戻すことはできない。こうなったら、断行あるのみだ、ということ。

57 親しき中にも礼儀あり
  親密な交際をするようになっても、根底には礼儀がなければならない
ということ。遠慮が失われると不和の原因になりかねないという戒め

58 少年よ大志を抱け
  洋々たる前途を持つ若者たちは、大きな志を持って勉学に努め、
成し遂げたいことを持って世の中にでるべきだ、という励ましの言葉。

59 知らぬが仏
  知ってしまえば心配したり哀しんだりと心を労するが、
知らなければ仏のように無心で、平気だということ。

60 太鼓判をおす
  太鼓ほどもある大きな判を捺して保証するということ。
絶対に間違いないことを保証するたとえ。

61 棚からぼた餅
思いがけず労せずして、幸運が舞い込んでくるたとえ。

62 鶴の一声
  小さな鳥が群がって鳴くより、鶴が一声鳴く方が、
威厳があり、優れている。大勢で議論してまとまらなかったことが、
実力者の一言で決まることのたとえ。

63 頭角をあらわす
  人々の中で頭の先が高く抜き出てて目立つことから、
才能や学識が群を抜いて優れていること。

64 掃き溜めに鶴
  ゴミ捨て場に美しい鶴がいる、ということで、
その場に似つかわないほど際立って美しいもの、優秀なものがいるたとえ。

65 人のふり見て我がふり直せ
  良きにつけ悪しきにつけ、他人の振る舞いを見て自分の振る舞いを反省し
、改めるべき点は改めよ、ということ。

66 仏作って魂入れず
  仏像を作ったのはいいが、形ばかりで魂が入っていないということ。
物事を行って、いま一つという肝心な点が脱落しているたとえ。

67 両刃の剣
  両側に刃のついた剣は、敵を切ろうとして振り上げると自分自身が
怪我をすることがある。一方では役立つが、一方では危険なことのたとえ。

68 笑う門には福来る
  いつもにこにこしている門(一族、家族)には、自然と幸福がくるもの。