むかしむかし、ある所に、貧乏だけど心優しい、お爺さんとお婆さんが居ました。
今日は12月31日、大晦日です





お爺さんとお婆さんは、二人でかさを作って、町に行ってそのかさを売って
新年のお餅を買って食べようと思っています。





お婆さんは言いました。

「外は雪が降っているので、気を付けて帰って下さいよ」
お爺さんは
「かさは5つもあるので、全部売ってお餅をたくさん買って帰るよ」
と言いました






お爺さんが家を出ると、雪が降ってきました






町の近くまで来ると、道にお地蔵さまが6つならんで立っていました。
お地蔵様の頭には雪が積もっています、お爺さんはお地蔵さまが
寒くてかわいそうだなと思いました






「お地蔵さま、雪が降って寒いでしょう。このかさを使ってください」
お爺さんは、町で売るつもりのかさをお地蔵さまにかぶせてあげました。






しかし、お地蔵さまは6つなのに、かさは5つしかありません






そこで、お爺さんは、自分のかさを脱いで、最後のお地蔵さまにかぶせました。






早く帰ってきたお爺さんに、お婆さんはびっくりしました。
お爺さんはお婆さんにお地蔵さまの話をしました。






お爺さんは、お餅が買えなかった事で、お婆さんが悲しむと思いましたが
お婆さんは笑顔でお爺さんに言いました
「それ良いことをしましたね、お地蔵さまも今は今は暖かいでしょう」
2人はお餅が無くても、楽しい大晦日を迎えました





その夜、夜中だというのに、不思議な歌が聞こえてきました。
♪じいさんの家はどこだ
♪かさのお礼を届けにきたよ
♪じいさんの家はどこだ
♪かさのお礼を届けにきたよ
家の前で大きな音が鳴った後、歌声は消えました






お爺さんが、そっと扉をあけてみると、お爺さんのあげたかさを被った
お地蔵さまの後ろ姿が見えました。
そして家の前には、お正月用のお餅や、ごちそうが沢山置いてありました



おしまい







本来、このような、日本昔話は、子供のまくら元で、お母さんが話してあげる子守唄のような物です。
この笠地蔵のようなお爺さん、お婆さんの様な、優しい性格になってほしいと聞かせてあげるのが昔話の特徴です
もし、自分に子供ができたら、ぜひ昔話を聞かせてあげて下さい。

この絵は手作りなので、上手ではありませんが、最後まで見て頂きありがとうございました